第1章 環境色彩とカラーコーディネーション


この章は、カラーコーディネーターとしてのあるべき姿など、総論的内容になっております。したがって、基礎的な事柄は、論文にもおり込みやすいと思います。2005年度の分野別論文は、ここで書かれている「騒色」などを使えば、比較的楽に書けたと思います。




第1節 環境色彩のカラーコーディネーター像

・コーディネートとは=調整する・調和的に働かせる

・場に関係する、全てのモノの関係性を考慮して、秩序ある景観作りを目指す。既に存在しているモノの色彩を調整する事が優先される。独自で暴走してはいけない。

・公共空間(内部・外部とも)を、快適で利用しやすい空間にする。

☆必要となる知識は、色彩の知識の他、建築、環境デザイン、地域情報、材料、法規制etc
         
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・様々なデザイン分野の色彩を調整し、関係性を整えていくことが要求される。

・カラーコーディネーターの実際の仕事の流れ

@契約の段階
依頼者と打ち合わせ、その後に契約。
 打ち合わせ時には、建築等の色彩以外の知識が必要になる。

A企画の段階
企画書の作成。
 仕事の流れに沿って日程表も作成。

B調査・計画の段階
自分の趣味だけで色彩を決めてはならない。
現場での色彩調査で、周辺の色彩を把握しておくこと。その後調査資料を分析して、現場周辺の色彩特性を検討して、カラーコーディネーションの方向性の検討。

 景観条例等、地域の景観上のルールについて、調査をしておくこと。
     
C設計の段階
色彩を選択、決定する。
 図面から空間をイメージすることができるようにする。
・プレゼンテーション(C.Gによるカラーシミュレーション等)する。・色彩指定表の作成。

D色彩管理の段階
色彩指定表に従って、実際の色材サンプル(1m角の大きなものがよい)を作成・着色し、現場に掲げて、最終の色彩検討を行う。



第2節 環境色彩計画のこれまで

この節で使われている「シーランチ」や「グリニー団地」等の写真は過去出題されてます。要チェックです。
また、色彩の歴史も体系的に覚えておくことが重要です。

・カラーコンディショニング(色彩調節)からスーパーグラフィックへの移行
・ル・コルビジェ=コンクリート打ち放し(1960年代)
・カラーコンディショニングの衰退とスーパーグラフィックの流行(1970年代)
・ジャン・フィリップ・ランクロの登場

→フランスのカラリスト。歴史的な景観をもつ街の建築物の色彩調査を行い、地域ごとに異なる地方色の存在を明らかにした。
地方色をいかしたまちづくりを行うことを重要と説いた、環境色彩の実践者。「色彩の地理学」として発表。
街並みの色彩上の統一性は、その地域の自然材を使用することに起因している。
その地域によくある建築材を皆が使えば、使用頻度の増加により、街並みの色彩景観が統一されてくる。


歴史のある伝統的な建材を使用している地域は、昔からの色彩景観に大きな変化はなかなか見られない。



第3節 環境色彩分野のカラーコーディネーションの配慮事項
環境色彩のカラーコーディネーターとして、常に考えていなければいけない基礎事項です。論文対策に使いやすい項目です。



モノとモノとの関係性に配慮を欠くと、雑然としてしまう。周囲とのバランスを考慮し、地域の暮らしが豊かになるように配慮する必要がある。
環境色彩の対象はスケールが大きく、且つ生活の場であるので、ひとつのモノの自己主張的な色彩は、あまりよいとはいえない。


1.地域性に配慮し、個性ある景観をつくる

その地域の特色や個性を把握して、ふさわしい色彩を見つけ出す。
それぞれの地域には、街づくりの方向性が既に確立していたり、計画されていたり、検討段階であったりと様々である。既に存在しているものに対して反映させる色彩作りが重要。
また、住宅地域、商業地域など、地域ごとに特性が存在しているので、これらの特性にあった色彩を選定することが必要。


2.関係性に配慮し、秩序ある景観をつくる

カラーコーディネーションは、新たに作り出すことよりも、既に存在しているモノとの関係を調整して、調和を作り出すことが大事。
環境の中にあるモノについて、そのモノの役割や特性ごとに色彩を検討し、且つ環境全体のバランスをトータル的に考えて、秩序ある景観を作り出すことが目標。

秩序ある景観を作り出すために、以下の3点が必要である

@色彩を秩序づける
色の三属性を考慮し、それぞれのモノの誘目性を考慮し、順位をつけていく

A配色調和を考える
類似色調和・色相調和・トーン調和等を考慮する
オストワルトやムーン・スペンサー等、細やかな色彩調和理論は余り有効ではない。

B形態・素材との関係を考える
形態や素材を優位に考え、それぞれが要求する色彩のあり方を的確に把握する。



3.公共性に配慮し多くの人に親しまれる景観をつくる

公共の空間作り→快適で使いやすい空間を目指す

慣れ親しんだ色を使う → 多くの人に受け入れられる

「騒色」を取り除く → 生活を阻害する騒がしい色彩のことを「騒色」という
過剰な色の氾濫は避ける

自然の色を大切にする 四季による色彩の変化、土、砂、緑等 低彩度から中彩度のものを用いる

市民参加の促進
環境色彩の整備 住民・自治体と一体化して行うことが大切 地域の景観を考える
住民に景観形成の意識付けを行う


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